未経験でもIRの仕事に転職する方法は?書類選考や面接のポイントは?

今回の記事では、未経験でもIRの仕事に転職する方法、書類選考や面接時のポイントについて解説します。

IRってどんな仕事?

まず、IR(Investor Relations)とは、企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般を言います。日本ではここ20年で、IR活動がどんどんと浸透しています。

IRは、投資家向け広報と訳されることもあり、広報の仕事と似ているところもありますが、IR担当は商品の情報などだけではなく、企業の経営や財務内容を理解する必要があります。

また、IR担当の仕事は、1年を通してスケジュールがある程度決まっています。仕事を大きく6つに分けると、決算説明会の運営と資料作成、開示資料の作成、機関投資家との面談、経営陣への株主・投資家見解のフィードバック、問い合わせ対応、IRサイトの更新、統合報告書の作成などの仕事です。

それぞれの具体的な仕事については、こちらの記事をご覧ください。

IR担当は、株主や投資家に向けて情報を発信する立場ですので、常に企業のトップの代弁者でなければなりません。そのため、常に経営陣とコミュニケーションをとりながら、企業のビジョンを話したりと共有することができます。

一般の社員であれば、なかなか近づくことができない経営者や、最前線で執行に携わる役員などと、密に関わることができることは、IR担当だから経験できる貴重な経験でもあります。

また、IR担当には幅広い知識が必要になります。財務や会計面はもちろんですが、投資家や株主に情報を発信しなければならないため、株式市場、自社の株価の動き、競合他社の動向にも目を配り理解していなくてはなりません。IR担当は日々勉強と、努力し続ける覚悟が必要なポジションです。

IR担当のやりがいは?

IR担当の仕事は、誰にもできるような決して簡単な仕事ではありません。だからこそ、他の職種では得ることのできない、やりがいや達成感があります。

IR担当がやり甲斐を感じることは

・会社の経営と近いところで仕事ができる
・経営陣とやり取りする機会が多い
・機関投資家など外部からの意見を聞ける

といったことです。

IR担当は、株主や投資家向けに、経営や財務の状況などの投資判断の材料を提供しなければなりません。そのため、日頃から経営陣とコミュニケーションをとりながら、企業のビジョンを話したり共有することができます。

またIR担当は、機関投資家など外部の関係者と関わる場面が多くあります。株主や投資家にはさまざまな職種、経歴の人、その道で成功し大きな資金を得ている人がいます。このような人と接する機会は自分にとって多きな財産になります。IRの仕事に就いていなければ、こうした人脈を得ることはなかなかできないでしょう。

IR担当の年収の相場はいくら?

IR担当には必要な資格や免許があるわけではなく、特別な学歴が求められる職種でもありません。

基本的には、広報や経営企画、財務経理などで経験を積んだ後に、IR担当になるケースがほとんどで、年代別のIR担当の年収相場は、このようになります。

・30代前半 500~600万円台
・30代後半 600~700万円台
・40代前半 700~800万円台

IRは上場企業にしかない職種のため、平均年収は高い傾向にあります。また、IR担当の経験を積み、40代後半になると部門長のポジションに昇格し年収も上がっていきます。

また、まれに年収800〜1200万円を提示し募集をしている大手上場企業もあります。しかし、このような高い年収を得るためには、上場会社でのIR担当経験やビジネスレベルの英語力は必須になるため、未経験からいきなり、この年収を得ることは難しいでしょう。

このように未経験からいきなり、 IR担当として高い年収を得ることは難しいですが、しっかりと経験と知識、能力を高めていくことで、IR担当として将来、高い年収を得る可能性は十分にあります。

未経験でも転職できるの?

第2章でも記述しましたが、IR担当は、他の部署で経験を積んだ後に、IR担当に採用されるケースがほとんどです。

しかし、他の部署での経験といっても、財務、経理、広報だけではありません。IRのキャリアは大きく4種類のルートがあります。

①IR支援会社の経験の経験

IR支援会社では、実際に上場企業の統合報告書や、マニュアルレポート、株主通信の作成など、IRの業務に携わっているため、その経験を生かすことができます。会社によって得意な分野や業界がありますが、自身の経験とマッチした企業のIR担当に転職することが出来れば、即戦力として活躍できる可能性もあるでしょう。

②証券会社の経験

証券会社は、機関投資家と企業側を繋ぐ窓口をしているため、機関投資家と企業側の両方の視点を理解しています。機関投資家の取材ミーティングのアレンジを行なっている場合もあるので、これらの経験をIR担当に生かすことができます。特に、IR支援会社や機関投資家と直接やり取りをしていた方であれば、IR担当として証券会社での経験を、より生かすことができます。

③財務、経理経験者

IRには財務・会計の分析力が欠かせないため、財務や経理の経験や知識が必要になります。

財務とIRでは役割が大きく違いますが、数値や市場の仕組みに強く、また財務部では有価証券報告書など、IRに関する資料作成を担当していることがあります。そのため、財務経験者を求めている企業も少なくありません。

④営業経験者

IR担当は日頃から、投資家や他部門、経営陣とのコミュニケーションが必要になります。株主や投資家と対面して経営状況や経営方針などを説明したり、会議の場で壇上でスピーチを行ったりする機会も多い職種です。そのため、営業経験で培ったコミュニケーション能力は、IR担当になってからも十分に生かせる能力です。

上記の中で①~③の経験は、IR未経験者であってもIRへの転職が望めます。しかし、④の営業経験については、社内ローテーションでの配属が基本となります。そのため、未経験から転職することは難しいでしょう。

どんな企業が募集している?

様々な企業が、人材紹介会社などを通じて人材の募集をしています。企業がIR担当を募集する理由はさまざまですが、基本的には大きく分けて4つの種類があります。

①IR部門の業務量増加およびIR機能の強化

市場変更による業務量増加、業績好調による問い合わせ増、時価総額を向上させたい時などに、IR担当を募集します。

②上場してから1~2年が経過してのIR機能の強化

上場して最初の1~2年は幹事証券会社のサポートもある中でIRを行いますが、一定期間を経過すると、IR機能の強化が必要と考え、募集を行います。

③上場前または上場後間もない企業のIR担当の採用

上場に際してIR経験者が不在のため、IR担当を必要としています。企業によっては、上場前2-3年前の上場準備から、IR担当を採用するケースもあります。

④欠員補充

現職IR担当者がの退職したり、昇格、異動をした際に、新たにIR担当採用することがあります。

このように、IR担当を募集している企業の募集背景は、さまざまです。求人に応募をする際には、ただやみくもに応募するのではなく、募集背景をしっかりと理解した上で、志望動機を考え、応募をした方が得策でしょう。

未経験OKの求人はどこで探せばいい?

多くの職種の場合、「未経験募集」の求人は、大手転職サイトに掲載されています。しかし、IR担当の場合は、そもそも母数が少なく求人サイトには、あまり掲載されていません。未経験OKの求人の場合も同様です。

そのため、未経験OKの求人を探すには、転職エージェントに相談した方が確実でしょう。転職エージェントはIR募集の求人を持っていることが多く、求人の要件を詳しく知っています。

基本的に求人票に、掲載されている求人内容は、限られた文字数、制限の中で書かれたものなどで全ての情報が掲載されていない場合もあります。

しかし、転職エージェントの担当者は、直接企業の採用担当者から「どんな人材がほしいか」など細かいヒアリングしています。そのため、求人に掲載している内容よりも、より詳しい内容を知っている場合があります。

また、転職エージェントの担当者は、人事担当者のみならず、現場の担当者やトップともパイプを持っていることが多く、リアルな社内の様子や空気について聞くこともできます。

求人サイトや企業のWebサイトを見るだけでは知りえなかった情報を事前に教えてもらうことで、企業選びや面接対策に役立てることができます。

未経験からのIRへの転職を考えているのであれば、自力で頑張って転職活動をしようとせずも、プロの力を借りて転職活動することをおすすめします。

未経験でも書類選考を通過するポイントは?

転職活動の中でも書類選考は、直接会話をすることはなく、書類上の情報だけで、合否を判断するため、面接とは違う難しさがあります。特に、IR未経験の場合は「これまで何をしてきたのか」「IR担当として自社で活躍できるのか」など、企業側は厳しくチェックをします。

IR未経験でも、書類選考を通過して面接に進むためには、履歴書・職務経歴書を読んだ企業側に「この人に会ってみたい」と思わせなくてはなりません。

そのため、書類を作成する際には、「これを読んで、企業側は自分に会いたいと思うだろうか?」と意識して書く必要があります。これまでのどのうような経験や成果が、IR担当として生かすことができるかを伝えることが、重要なポイントです。

そもそも、企業側は人手不足やIR活動の強化など課題があるから、人を採用しようとしているのです。ですから、企業側はその問題をあなたを採用することで解決できるかどうかを見ています。つまり、応募書類はあなたのプレゼン資料であり、あなたの代弁者なのです。

またIR担当者になった場合、「決算説明会資料」「IRサイト」「適時開示」など世に出す書類を作成する業務が多く発生します。そのため、内容だけでなく職務経歴書の書き方についても、読みやすいか、分かりやすいか、過不足なく書かれているかなどを、チェックしています。

これらのポイントを踏まえ、履歴書・職務経歴書を書いていきましょう。

未経験でも面接で好印象を与えるには?

書類選考に通過すると、いよいよ面接です。未経験で挑戦する場合の面接では、前職までのあなたの経験、成果を自社のIR担当として、生かせることができるかを判断するための質問をされるでしょう。

募集内容によっては、同じ求人に経験者が応募している場合もあります。ですので、未経験者の面接の場での自己アピールは特に重要になります。

まず、面接ではIRへのやる気をきちんと伝えましょう。IR担当としての業務経験がないあなたにとって、“熱意” は未経験を補う重要なポイントになります。そのためにも、面接までに企業のIRサイトや、会社のことをきちんと調べあげ、自己アピールや志望動機を完成させておきましょう。

また、自己アピールをする際には、前職で自分の意志で企画して実現したことや、他部門やチームメンバーを巻き込んで成果を出した事例を話しましょう。

IR担当の仕事は、経営陣だけでなく社内で、管理部門や事業部門など様々な部署との連携が必要になります。そのため、前職であなたがどれだけ部署の垣根を超えて、成果を出してきたのか、自主的に行動してたかを伝えましょう。

もし、どの経験や成果を掘り下げて話そうか悩んだ際には、どの経験や成果が「IR担当の業務に生かすことができるのか」を考えて、伝えるといいでしょう。

内定入社までに学んでおくべき基礎知識は?

企業から内定をもらったら、いよいよ入社です。入社して少しでも早く即戦力になれるよう入社までの期間も、IR担当としての準備をしておきましょう。

 IR担当者には、必要な資格や免許はありませんが、会社の事業やIRサイトをきっちり見ておくことは必須です。経営理念、事業内容など、入社する前でも会社のホームページをチェックして入手できる程度の情報は、業務開始までになるべく身につけておきましょう。

例え、財務、広報、経営企画のなどの部署で経験を積んだ人が、IRに転身したとしても、それだけですぐに活躍できるものではありません。

常に社内外に限らず業界全体や関連業界の最新の情報を幅広く収集し、株主や投資家が求める情報を最適なタイミングで提供することができてこそ、一人前のIRとして活躍できるようになります。

つまり、入社してからもIR担当としての経験を積みながら常に勉強や努力が必要になります。そのため、入社するまでに出来る限りのインプットをしておいた方がいいでしょう。

まとめ

ここまで、未経験でもIRの仕事に転職する方法、書類選考や面接のポイントについてお話をしてきました。IR未経験で、IR担当に転職することは決して簡単なことではありません。

しかし、書類選考や面接でしっかと前職での経験や成果を、IR担当として生かせること、熱意を伝えることができれば、IR担当として採用されることも十分にあります。

そして、IR担当として採用されれば、今後のキャリアアップや年収UPにも繋げることができるでしょう。

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